5days編レポート
そのまま続けて1つ目のクラス。アラン・シナンジャさんによる「アフリカンダンス」のクラスです。明るくスタートしていきました。
子どもたちも、少しずつ緊張がほぐれ、すぐに集中モードに!
アフリカンダンス特有の難しいステップにも果敢に挑戦し、だけどもなんだか「やっぱり日本人だね」という結果に(笑)クラス後も「アフリカンダンスが」「このステップが」という言動も多く、子どもたちにとって新しい楽しい時間だったようです。
お昼ご飯を食べる頃には打ち解け、劇場のなかを元気いっぱい走る姿も見られました。プロのカメラマンに人生初となる(?)アーティスト写真も撮っていただきました。
午後からは寺田みさこさんによるバレエクラス。1/3ほどが初心者さんですが、がんばりました!
バーレッスンをした後は、まさかのヴァリエーションに挑戦。みんなで、『眠りの森の美女』より「カナリアの精」を踊りました。しかし、バレエ経験者も踊ったことのないこのヴァリエーションに悪戦苦闘。ルルベも多く、足の裏が痛い!と。これがバレエなのか…と思わず呟く声も!
最後は、平原慎太郎さんと一緒に成果公演に向けクリエーションです。みんなで「自分が面白いと思うもの」を見つけにいきました。グループでそれぞれ動きを作っていきましたが、なんだか面白い動きが多く見られて(?!)今から作品が楽しみになってきました。「みんなこれはどうか」「続きはこれが面白いんじゃないか」と、平原さんにアドバイスももらいつつ、真剣に小道具と遊んでいました。
明日もレッスンが続きます!緊張と多すぎる学びと…きっと今日はぐっすり眠れますね。あ
1日目
午前9:30。緊張の面持ちで子どもたちが続々とやって来ました。
全員が揃ったところで、まずは自己紹介。声からドキドキが伝わってきました。
その後、5日間のルールの確認と、劇場内のツアーをしました。
手洗いうがいや検温、消毒など、コロナ対策もしっかり行います。
2日目
今日は子どもダンス留学の2日目。
昨日の疲れが残っていることを心配しましたが、みんな元気に来てくれました。
今日は伊藤愛さんのコンテンポラリーダンスのクラスからスタート。
まずはバーを使ったトレーニングから。
伊藤さんのハキハキした声を聞いて、みんなもしっかりしなければ!と気を引き締めます。
まずは、ダンスに必要なスイングをみんなで練習しました。
力の抜き方や入れ方が難しいようで、伊藤さんに「目一杯伸ばして!」とアドバイスを受ける姿が見られました。動きに慣れていないのか、まだ身体が緊張している様子。
その次は、コンテンポラリーダンスの振り付けをみんなで踊りました。
「やっとコンテンポラリーダンスっぽい振付だ!」と挑戦するも、振りを覚えるのがなかなか難しい。なんだか不安そう。そして、最後にみんなで1人ずつ踊ることに。
「振り付けを覚えてないからできない!1人はいやだ!」と不安がる子どもたちに、伊藤さんは「もし間違えたとしても誰がわかるの?失敗しても誰もわからない!堂々としていないと、自分の踊りにならないよ!」と声をかけていました。そうだよ、どんどん失敗していいんだよ!と心の中で応援しながら見守ります。
1回目は不安そうにソロを踊っていましたが、
2回目は、自分で堂々と踊っていました。この短い時間でも、子どもたちはグングン成長しています。
午後からは、紅玉さんの舞踏のクラス。
子どもたちは、昼休みの時間から「舞踏って何?」と興味津々。
紅玉さんがクラスに現れてから、みんなシンと静まり…集中して話を聞いていました。
最初は舞台の上で舞踏に必要な動きの体操。身体の中が水で満たされていて、そこに骨が浮いていて…と自分の身体をイメージして感覚を研ぎ澄ませながら、動かしていきました。
そして、ビニール袋やティッシュの動きを観察して、その動きを自分の身体にうつしていきます。ただのビニール袋に見えても、よ〜く見ると少しずつ動いていることに気づいた子どもたちは、床に転がったり、よく観察しながら動き始めました。
次に、お花を持って、お花に導かれるように歩いてみます。舞踏では、自分の意思で動くよりも何かに動かされるように動くことが多いんだそう。子どもたちは、はじめはスタスタと自分で歩いていましたが、途中から様子がわかったようで、お花に導かれるようにゆっくりと歩き始めました。
これが舞踏なの?と不思議そうな顔をする子どもたちに、紅玉さんは
「歩くだけでも舞踏になります。自分がこれを舞踏だ、と思えばそれも舞踏です。」と話していました。
最後は、レパートリーの一つの顔と足のダンスで終わり。足を動かしながら、いろんな表情を作りながら二つのグループに分かれて披露し合いました。ふりかえりのフィードバックメモには、いろんな顔をつくるのが楽しかったとの声もありました。
今日もラストは、平原さんのクリエーションです。
まずはみんなの名前をおさらいするゲーム。改めて名前を覚えて声に出すことでグッと距離が縮まりました。
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次に、成果公演で発表する作品の振り付けを覚えました。
速いテンポの曲でしたが、みんな一生懸命ついていきました。お姉さん組は振りを覚えるのが早く(さすが!)、小さい子に教えたり、教え合いをする姿も見られました。
最後は昨日やった紐を使った振り付けの続き。
チームに分かれて、みんなで振り付けを作っていきました。
クリエーションの最後には、1チームずつ舞台で披露。みんなそれぞれ工夫して紐を使った振り付けを見せてくれました。あと3日でどんな動きに進化していくのか楽しみです!
今日もたくさんの新しい動きに出会いました。みんなお疲れ様でした。
3日目
まず、今日のはじめのクラスは、金子優さんのHIPHOP。
朝やってきたら、劇場にはHIPHOPのかっこいい音楽が流れています。
まず、みんなで挨拶を「よろしくお願いします!」と言いますが、
「声が小さいよ〜!それじゃ始められないよ!」と優さん。3回目でやっと元気な声が聞けました。
参加者のほとんどがHIPHOPが初めて。アップ、ダウン、サイドステップと、基本の動きをレクチャーしてくださいました。その後、それらを組み合わせて動いてみる。かなりHIPHOPらしくなりました。
次に、曲に合わせた新しい振付を覚えました。最初はゆっくり踊っていましたが、原曲に合わせるととっても速い!「こんな速いの〜!」と焦る子どもたちでしたが、慣れてくると、みんな楽しそうに踊っていました。最後は舞台の上で踊りましたが、みんな見たことないくらい堂々と、「私を見て!」と言わんばかりにしていました!
最後は円になって、「ありがとうございました!」と挨拶。
はじめと同様、「もっと声出そう」と促される子どもたち。
この子たち、こんなに声出るの!と思うほど、大きく元気な声が聞こえていました。
お昼休憩を挟んで、セレノグラフィカの隅地茉歩さん、阿比留修一さんによる「ダンスをつくる」のワークショップ。
まずは輪になって、隣の人の動きを真似して伝えていきます。ちゃんと観察してないと、間違えて伝えてしまう。お手つきをしたら初めから。よーく観察して進めます。
次に、全員でランダムに歩いてからピタ!と止まる動き。みんな恥ずかしいのか照れ笑いしてしまうよう。しかし、真剣な空気が伝わってきたら、徐々にできるようになっていきました。
後半は、お二人からお題が与えられて、それに沿った動きを「自分で」作りました。
今までは元々ある動きを覚えていましたが、今日は「自分で」決めて、動く。戸惑いつつも、みんなオリジナルの振り付けを作っていきます。
お二人とも、「自分で」という言葉を何度も使われていたのが印象的でした。これから、クリエーションも自分たちで考えていかないといけない。先生に言われることだけじゃなくて、自分たちで考えていくことが求められていきます。
不安そうに踊る子どもたちに、茉歩さんは「上手いかどうかは気にしていません。うまく踊ることより、見ている人に「この人の踊りの続きが見たい!と思わせてほしい。私たちは今日のお題をどう考えて繋げたのかが見たい」と声をかけていました。
また、最後に茉歩さんから、自分が知っているのだけがダンスじゃなくて、思わずダンスに出会うことがある。でもそれは本当に探した人だけが出会える」とおっしゃっていました。
阿比留さんは、「今日できなかったなー…と思うこともあったと思うけど、これを忘れずに次からも真摯に取り組んでいってほしい」とおっしゃっていました。
そして、締めくくりは、平原さんのクリエーション。
いつもの名前のゲームをしてから、チームに別れて緑の薄い板を使ってみんなで面白い動きを模索しました。板を組み合わせたり、板に隠れることを利用してマジックのような動きも見られて思わず「お〜!」と声を上げながら見ていました。
それを披露してから、今度はそれを組み合わせて、全員で振りを作ります。
チームの振りが少しずつアレンジされて組み合わさることで、さらに面白い動きが生まれていました。ああでもない、こうでもない、こうしてみよう!と子どもたちは口々にアイデアを生み出すので、まとめるのが大変そう…(笑)どんどん面白くなっていくクリエーションが、日々楽しみです。
5日目
今日は遅めのお昼集合。お昼に集合してから、髪の毛のセットをしました。劇場に入ったら、まずみんなで衣装のTシャツをデザイン。黒のTシャツに、各自で緑の靴紐やリボンで思い思いのデザインを描きました。
その後、大人たちはそれを猛スピードで貼り付けていきます…(笑)
15枚それぞれ素敵なTシャツになりました。その後、写真撮影も入ったゲネプロが始まります。
ここではまだ平原さんの「〇〇ちゃんまだだよ〜」などの指示が入ります。子どもたちも、まだ少しその指示を頼りに動いている様子…。ゲネプロが終わり、19:00の開演まであと1時間。子どもたちは元気いっぱいに走り回っていました。スタッフからの「本番の体力を使い果たすんじゃないよ〜!」と喝が入ります。
パンフレットなどや客席を準備していると、子どもたちも手伝ってくれました。まだまだ余裕。
しかし、本番が近づくにつれ、なんだかソワソワした様子。「ねえ、もう本番?」「ここさ、いつのタイミングで行ったらベストかな?」「ちょっとここの髪の毛出てきちゃったから直してー!」「自己紹介さ、今の年齢言う?あ、明日から〜って言う?!」「トイレ、、、先いかれてるー!(汗)」……と、みんな緊張を隠すかのように喋り続けていました。
そして、本番。
タイトルは『インドアキャンプ』。舞台上には芝生やパラソル、植物が設置されています。実は、舞台からは見えませんが、舞台裏にも芝生が敷いてあり、油断したら待機中の子どもたちが寝てしまうほどリラックスした空間。平原さんは、今回の振付で2つ大事にしたことがあったそう。
まずは、「1人じゃ扱いきれず、誰かと使わないといけない道具」を使うこと。今回の作品で登場する緑の大きな板や、ロープは、1人で持つボールなどと違い、誰かと一緒に持ったりしないとうまく扱えません。他の人と一緒に使って魅せることを意識しています。
また、「いろんなダンスをする」ことを意識したそうです。平原さんは、子どもダンス留学は、ある意味“無謀”なプログラムだと言います。それは、5日間の短期間で、ヒップホップ、バレエ、アフリカンダンス、舞踏、コンテンポラリーダンスと、多様なダンスに挑戦すること。ダンスといえば、大抵1種類が思い浮かびますが、そうではなく、ダンスにも多様な種類がある。だからこそ、いろんなダンスを盛り込むことを意識したんだそう。
終演後のトークでは平原さんから「ゲネプロよりも全然良かった!今日はみんなの本気を感じることができてとても良かったです。本気を出すと、それだけパワーアップできるから。これからも、本気を出し遅れないように!本気を出すのは恥ずかしいことじゃなくて、出せないことの方が僕は恥ずかしいと思うからね」と言っていました。
また、振付助手の池上さんは、「5日間、みんなのアイデアの量がすごかった!これからは、その好奇心で思い浮かぶアイデアをどうやって形にしたらいいのか、誰とやるのかを意識してみてほしいです!」とおっしゃっていました。
また、DANCE BOX代表の大谷からは「皆さんが“今”しかできないダンスが見れてとても嬉しかったし、感動しました」とコメント。
5日間、本当にあっという間でした。
はじめはどうなることかと思いましたが、子どもたちはこの短期日間でとっても大きく、堂々とした姿になりました。「次はいつ?参加したい!」との声も。
この5日間、できなかったことや、もっとこうすればよかったなと思うことがたくさんあったと思いますが、それもみんなの今後に生きていけばと思います。今回やりきった経験が、彼ら彼女らの自信に繋がっていき、今後何か困難にぶつかった時の支えになっていったらと願うばかりです。
5日間本当にお疲れ様でした!
4日目
今日はダンス留学の4日目。
最後のクリエーションです。
午前中から劇場は照明の仕込みがあったので、子どもたちは
別会場で平原さんによるトレーニングを受けクリエーションをしました。
その後、劇場に戻ってきて、平原さんによるリハーサル。
今日は、初めて音楽に合わせて踊りました。
初めての通しの後に、拍手するスタッフ一同に「まだ拍手は早いですよ〜」と平原さん。
今は前で平原さんが「次〇〇出てくるよ〜」と合図を出してくれていますが、本番は誰も指示してくれませんよ〜。スタッフ内では「子どもたちは、今やっている振付が本番になることを子どもたちは理解しているのか…!?」と心配していましたが、かなり仕上がってきていました!それでもやっぱりまだ舞台上で「あれ…?次どうするんだ?」という顔も見られました…(笑)
今日も練習しながら「この方が面白いんじゃない?」と平原さんと子どもたちで
どんどん作品をブラッシュアップしていきました。子どもたちから出てくるアイデアの量が凄まじく、毎日新作が披露されているよう。何回見ても新しい発見や、「ここ変わってる!」と感心します。
そろそろ子どもたちの疲れも見え始めていましたが、あと少し。